カフェ、婚活、ライブ、ヨガ・・・これらが行われたことがある共通の場所といって、思いつく場所はありますか?
正解はなんと「お寺」です。場所も流派もバラバラで、開催理由もさまざまです。そんな最近の進化系利用術の一つである「お寺の漫画図書館」へ行ってきました。
場所は港区芝公園の静かな住宅街。
都営三田線芝公園駅A3出口を出て、すぐそばの公園の中を抜けて歩くこと2分。大きな看板があるので、その看板の角を左に曲がると、数メートルで入り口に到着します。
ここがお寺?どう見ても普通の一軒家です。
中に漫画図書館の手書き看板があるので、かろうじてここがそうだとわかりますが、お気軽にお入りくださいと書かれていても、なかなかに勇気が必要な入り口です。
勇気を出して中に入ると、スタッフの方が出ていらっしゃいました。女性のお坊様でアンさんというお名前です。漫画図書館使用の説明を受けながら、このお寺の目的や成り立ちをお伺いすると、漫画図書館ができたいきさつを教えてくださいました。
ここ多門院は、以前は住職様がいらっしゃったのですが、その方がお亡くなりになってから3年ほど、空き家として放置されていたそうです。
芝公園駅から徒歩2分、立地も申し分ないこのお寺が使われずに放置されていることのもったいなさに、こちらにより仏教に親しみを持ってほしい。難しく考えず、気軽に仏教に触れてほしいという思いから漫画図書館をオープンしたそうです。
漫画図書館の中をご紹介
多門院に入ったら、まずはご本尊様にご挨拶をしましょう。
こちらはお念仏を唱えることもできるそうです。その際はスタッフの方に声をかけてください。
廊下では写経と写仏ができます。
たくさんの見本がファイリングされているので、そこから好きなものを選んで、書くことができます。こちらもスタッフの方に声をかけてからやるようにしましょう。
続いて庭に面した廊下を抜けると、マンガを置いてある部屋に到着です。こちらにも仏様がいらっしゃいました。
10畳2間の広い部屋に、テーブルと座布団だけのシンプルな部屋です。壁が本棚となっており、ここにマンガがあります。
本棚の全景です。
すべて仏教をテーマにしたマンガ本で、なかには手塚治虫のブッダや中村光さんの聖☆おにいさんなどもあり、幅広い品揃えです。
すぐに読みたくなるのを抑えて、もう1つの部屋をご紹介します。
こちらは休憩所です。
ポットやインスタントコーヒー、紅茶、緑茶とコップがあり、自由に飲むことができます。
休憩室のテーブルの上にはアメやお菓子などもあり、こちらも自由に食べてよいそうです。
お寺の漫画図書館の全容がわかったので、今日の目的である仏教マンガをひたすら読むことにします。
本日選んだマンガは「鬼灯の冷徹」です。
休憩所で淹れたコーヒーを飲みながら、ひたすらマンガを読みます。スタッフのアンさんは別室にいらっしゃるので、広い部屋に自分1人しかおらず、しかもカフェやマンガ喫茶のようにBGMや余計な音がいっさいありません。
いるのは、自分と仏様だけ。そこで無心でマンガを読む・・・というなかなかないレアな空間です。
このお寺の漫画図書館は、そこまで知名度が高い場所ではないので、入りきれないほどになることはほとんどなく、この時も1時間ほど、女性が1人でいらっしゃったくらいでほとんどの時間を貸し切りで使わせていただけました。
お庭で採れたミニトマトもいただきました。
この日はお昼過ぎから16時くらいまで、マンガを堪能させていただきました。
最初はお金をかけずにマンガを読める!というちょっと得した気分で訪れたのですが、居心地のよさ、静かさ、スタッフの方の心遣いがとても気持ちよく、また行きたいなあという気分と同時に、お寺という場所のせいでしょうかどこか気分もすっきりした感じです。
マンガ好きの方も、そうでない方も、ちょっと空き時間ができたら立ち寄って気分転換に使えるお寺の漫画図書館。ぜひ、訪れてみてはいかがでしょうか。
旅データ
- アクセス:芝公園駅A3出口から徒歩2分
- URL:https://mangatosyokan.com/