東京のオシャレスポット代官山。ショッピングやカフェ巡りに訪れる人が多いこの街に、なんと、6世紀の古墳があると聞いて、やってきました。
その場所は、代官山駅から歩いて5分の旧山手通り、デンマーク大使館交差点のそば、代官山ヒルサイドテラスのど真ん中にあります。
地図には、「猿楽神社(猿楽塚<さるがくづか>)」と表記されており、この猿楽塚が今回の目的地、猿楽塚古墳です。
旧山手通りのデンマーク大使館交差点から代官山ヒルサイドテラスに一歩入ると、こんもりと緑豊かな一角が目に入ります。高さ5メートル、周囲20メートルくらいのこじんまりした古墳です。
入り口には鳥居と説明板がありました。6~7世紀に作られた円墳で、大小2つの古墳があったそうですが、今はこの猿楽塚古墳しか、はっきりとわかるものは残っていないようです。
鳥居をくぐると、さっきまで見えていたオシャレな代官山の景色は木々に隠れ、視界は緑に染まります。足下には大小の石畳の階段があり、一歩入ると木々に囲まれているせいか、空気も澄んで、涼しささえ感じます。
すぐに左手に「猿楽神社」の説明板がありました。古墳の頂上に神社が建てられているようです。
ヒルサイドテラスのオーナーである朝倉氏によって、この神社が作られたと言うこと、朝倉氏は武田家の流れを組む由緒ある家柄であり、その昔、代官山から渋谷一帯の有力者であったと言うことなどが書かれています。
この古墳のそばに、重要文化財の旧朝倉家住宅(見学可能)もあり、この街の歴史を学ぶことができます。
石畳の階段は登りだして数段で右にゆるく折れ、10段も登ると頂上につきます。
頂上には「猿楽神社」の社があり、お酒がお供えされて、きれいに掃き清められていました。朝倉家の方が手入れをされているのでしょうか。
その隣には、いくつもの絵馬が掛けられていました。
奥には、猿楽神社の社よりさらに小さな社と、石碑らしきものがあり、そこにもきちんとお供えがされていました。
猿楽神社には天照皇大神、素戔鳴尊、猿楽大明神、水神、笠森稲荷を祀っているそうなので、神様ごとにお社が用意されているのかもしれません。
鳥居をくぐって猿楽神社でお参りをしても、所要時間は5分もかからないくらいこじんまりした古墳ですが、東京、しかも代官山と言う都会の一等地に6世紀の古墳が現存していることを知っている人は少ないのではないでしょうか。
「東京に、代官山に、古墳がある」
それだけで訪れる価値ありのスポットです。代官山でショッピングついでに古墳見学、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
旅データ
アクセス:代官山駅より徒歩5分