歴史

【八王子】日本名城百選にも登録、今はなき「八王子城跡」の本丸はとっても狭かった!

八王子城跡

東京都内にも戦国時代の城跡があることをご存知ですか?

今回は日本名城百選にも登録されている「八王子城跡」へ行ってきました。

JR中央線高尾駅北口からバスで10分、気軽に行ける城跡

高尾と言えば、高尾山が有名な観光地ですが、そのすぐ隣の高尾駅に八王子城跡があるということで、高尾駅に降り立ちました。木造の駅舎がのんびりした町の雰囲気にぴったりです。

高尾駅

八王子城跡へは土・日・祝日ならJR高尾駅北口1番バスのりばから八王子城跡行きの直行バス(西東京バス)があります(10分/180縁)。平日の場合は、「霊園前・八王子城跡入口」バス停下車後(5分/180円)、さらに徒歩10分ほどかかります。

>>八王子城跡行きバスの時刻表はこちら

お城には平地に建てられた平城と、山の上に建てられた山城があります。八王子城は後者なので、お城を見るためには山登りをする必要があります。

標高は460メートルと高尾山より少し低い高さのため、そこまで重装備は不要ですが、ハイヒールにスカートなどだと危険です。デニムやスニーカーなど適した服装で行きましょう。

まずはガイダンス施設で情報収集

八王子城登城入り口にはガイダンス施設があり、ここで名城百選のスタンプも押すことができます。

ガイダンス施設

八王子城の歴史や、出土物などを見て学ぶことができ、スタッフの方に山登りに使える地図もいただくことができました。また、八王子城跡登山中に売店はどこにもありませんので、水分が必要な方はこの施設の自動販売機で購入しておきましょう。

登山開始!乱雑に置かれた木の棒を見落とさないで!

登山の入り口となる場所には、鳥居と「八王子城跡自然公園」の看板があります。

高い木に囲まれた緑の風景に思わず大きく深呼吸したくなります。さあ、出発!と、その前に鳥居の手前で、左手を見ると無造作に木の枝が置かれていました。実はこれ、無料の杖なんです。

無料の杖

特に看板もなく、説明もないのですが、同じ太さ・長さの木の枝がたくさんあるので、ちょうど良いものを持って行くことをおすすめします。杖なんて・・・と思いましたが、この杖にだいぶ助けられました。

杖をGETしたらガイダンス施設でもらった地図を頼りに、山道を登ります。

普通の人なら40分で頂上の本丸へ到着するそうですが、舗装道路などいっさいなく、ところどころに申し訳程度の石段があるくらいで基本は岩・土・木の根の道路なので、足元に注意して登りましょう。

石段

山城を攻めるには、この山道を登る必要があるため、攻める側は大変だったろうなあ。なんて考えながら登っていくと、ところどころに曲輪の跡があります。こちらは金子丸という曲輪です。

曲輪

曲輪とは、土塁、石垣、堀などで囲われた場所で、防御の役割をはたしています。山の上なのに平になっていると言うことは、ここに兵を置き、攻めてくる敵を攻撃したのかもしれません。

案内板

8合目付近。標高400メートルとはいえ、周囲に高い建物がないので、木々の隙間から見える景色はとても良い眺めです。ちょっと曇ってますが、晴れた日には富士山も見えるとか。

8合目からの眺め

途中休みながら来たので、ここまで1時間程度かかってます。

頂上の10合目には本丸跡がありますが、その手前9合目には八王子神社がありました。

八王子神社

その隣には天狗の像が。高尾山には天狗伝説がありますが、ここにも天狗伝説があるのでしょうか?

天狗の像

天狗の向かいにはぼろぼろの神楽殿のようなものもあります。

神楽殿

9合目にはほかにも2つの曲輪がありますが、まずは本丸まであと20分、頑張って歩きます。途中、当時の石垣なども見られる歴史好きにはたまらないスポットもありました。

やっと頂上!でも、狭い!!

登り始めて1時間半、やっと頂上の本丸に着きました。

頂上

山城で平らな場所が少ないとはいえ、本丸の狭さにびっくりです。30歩も歩けば端に着いてしまうほどの狭い土地に、これまた寂れたほこらが一つあるだけ。

頂上

説明書きがなければ、ここが本丸だったとは思えないくらい簡素な場所です。実際、八王子城は築城途中で完成を見る前に落城してしまったとのことですので、ここには建物はなかったのかもしれませんね。

さて、下山。途中にまだ見てなかった曲輪を見て行きましょう。

松木曲輪です。ここには立派な石碑が2つと、見晴らしのよい場所があります。

松木曲輪

石碑です。

石碑

もう一つの曲輪は小宮曲輪です。

小宮曲輪

こちらには狛犬が残されていました。この狛犬、なんと子供の狛犬を連れていました!子連れの狛犬なんて初めてみました。

狛犬

登山途中に公式ガイドさんとお会いし、休憩がてらお城の見所をいくつか聞くことができ、その中に当時の井戸が現存し、飲むことができないけど冷たいから手を洗ったりするといいですよ!と聞いていたのですが、体力の限界だったので、断念。

山城となると、立てこもって長期戦の戦いになるのは必須なので、生命線と言うべき水をどこから調達するかが重要となってきます。この井戸がきっとここにお城を建てる理由の1つになっていたのでしょう。そんな井戸ならぜひ見たかった・・・。

多少後ろ髪を引かれながらも下山は快適!登りは1時間半もかかりましたが、下りは30分程度であっという間に降りて来ました。入り口の鳥居で借りていた杖を返して終了です。

登山は疲れましたが、山の上からの景色はきれいですし、気温も2~3度低く感じ、風も涼しかったので、行ってよかったと思います。

八王子城は豊臣家に滅ぼされてしまったため、お城としての建物は何一つ残ってませんが、だからこそ、派手な観光地化せず、当時の姿をそのまま残している貴重な文化財と言ってよいと思います。

お城好きもそうでない人も、のんびりハイキング気分で訪れてはいかがでしょうか。

旅データ