渋谷駅南口、渋谷警察署の裏手にある金王八幡宮に、平安末期からここにあったと言われる渋谷城の面影を見に行きました。
渋谷駅から歩いて10分もかからない一等地にひっそりと佇む金王八幡宮。
ここはその昔渋谷一帯を治めていた渋谷氏によって建立され、渋谷区の重要文化財になっています。
階段を登ると、すぐに大きな門が現れます。この門と奥に見える社殿は、あの春日の局が家光が将軍となるように金王八幡宮を訪れて祈願を重ね、その願いが叶った時にお礼として建てたと言われています。
門をくぐって真っ先に目に入るのは、現代的な高層ビルを背景に佇む社殿です。渋谷ならではの景色ではないでしょうか。
ほかにもここが渋谷だということを忘れてしまいそうな鳥居や、神楽殿も。
玉造稲荷社。
神楽殿。
また、金王八幡宮の名前の由来となった渋谷金王丸常光(しぶやこんのうまるつねみつ)は17歳の時、源義朝に従って保元の乱(1156)で大功を立て、その名を轟かせました。
その戦へ出る時の姿を彫った木像が納められる金王丸御影堂は、門をくぐって右手の奥にあります。
境内の中でも奥まった静かな場所にまつられており、毎年3月最終土曜日に行われる金王祭で特別公開されます。
もう一度、境内から社殿に向かい、社殿正面左手を見ると、縦横50cm程度の石が囲いもなくむき出しで置かれているのが見えます。
これが、かつてここにあった渋谷城の石垣の石だと言われています。確かに表面は平らで、横から見ると組み上げやすいように出っ張っていました。
説明書きもありました。
渋谷城は平安末期にこの一帯を治める渋谷氏によって建てられた平山城で、城を囲むようにお堀があり、その水源は今も残る渋谷川から得ていたそうです。
しかし、室町時代になり、北条氏による関東攻略で渋谷城は焼け落ち、それと共に渋谷氏も滅んでしまったと言われています。
また、石垣の石のさらに左手にたくさんの絵馬が掛けられており、いろいろな願い事が書かれている中に算額が混じっていました。
算額とは、江戸時代に絵馬などに和算の問題や解答を書いて、神社や仏閣に奉納する物です。映画にもなった「天地明察」でも登場していたので、ご存知の方もいると思います。
金王八幡宮には、算額3点が渋谷区指定有形民族文化材として保管されており、昔から数学が好きな方が問題を出したり、解いたりしていたのが今に続いているのかもしれません。
私も解いてみようかと思いましたが、全くわかりませんでした・・・。都内でショッピングの合間に、お城見学ができるのはここだけかもしれません。
旅データ
- アクセス:渋谷駅から徒歩6分
- URL:https://www.geocities.jp/ynycr674/