おしゃれなカフェなどが並ぶ街、白金台に天然記念物及び史跡にも指定されている「国立科学研究所附属自然教育園」があります。
約20ヘクタールの敷地には、1,400種以上の植物、2,000種を超える昆虫や鳥類が住み、まさに都心のオアシスです。
園内では動植物の名前の表示板や解説が分かりやすく整備され、歩きながら自然を学ぶことができます。
JR目黒駅や地下鉄の白金台駅からも、徒歩10分弱でアクセスも良好。入口で310円の入園チケットを買い、リボンをもらって、まずは野草が並ぶ「路傍植物園」へ。
見上げると、新緑のトンネルからは木漏れ日が注ぎ、足元には見知らぬ野草たちがたくさん!
細長い頭を下げているのは「ほうちゃくそう」、
赤紫の小さな花が集まっているのは「えびね」です。
三叉路に出ました。
この辺りは紅葉のビューポイントで、秋になると紅葉狩りを楽しめます。訪れた日は、青々としモミジの葉が風に揺れていました。
ここからは「ひょうたん池」へ歩いてみました。
途中出会ったのは、巨大な「物語の松」。江戸時代、この土地が徳川光圀の兄にあたる高松藩主「松平讃岐守頼重」の下屋敷だった頃の庭園の名残りだそうです。
ひょうたん池に出た途端に空が大きく広がりました。この日は水辺のベンチでお弁当を広げました。
ひょうたん池をさらに進むと「水生植物園」です。池を渡る橋の上から、水面を覆う植物を間近に見ることができ、東京ではめずらしいミズスマシも見かけました。
目を引いたのは、花の形が漢字の「丁」に似ていることから名がつけられたという「ちょうじそう」です。ブルーの星のような可憐な花が水面に広がっていました。
「のいばら」や「はなしょうぶ」もたくさんつぼみをつけていたので、そろそろ花が見られることでしょう。
湿地沿いの「森の小道」に入っていくと、ケヤキやミズキなどの落葉樹の高木が並び、秋には色鮮やな紅葉が楽しめるそうです。
ぐるっと一周すると、武蔵野植物園に出ます。
武蔵野植物園の近くには「あずまや」があり、水辺も近く、涼やかな休憩スポットでした。
近く咲く鮮やかなつつじの花は、街中と違い、野生の趣を感じました。
西側の静かな道を進むと「いもりの池」。そして近くにコナラ林がある「水鳥の沼」に出ます。
この沼では、カルガモやサギなどの水鳥に出会えるそうです。
出口へ向かう途中には、かつて豪族が住んでいた痕跡を残す「館跡」がありました。
館を守っていた、小山が連なる塀のような「土塁」の断面が残され、当時の屋敷の大きさを想像させます。
この道では、白い綿毛のような「さわふたぎ」の花に人々が集まり、早々と「がくあじさい」の花も咲いていました。
自然教育園では、自然に親しむためのセミナーも行われています。専門の研究者の解説が聞けるそうなので、興味のあるセミナーに参加して知識を深めると、園内をもっと楽しめそうですね。
旅データ
- 入園料:300円
- アクセス:JR目黒駅東口・東京メトロ白金台駅出口1から徒歩約10分
- URL:https://www.ins.kahaku.go.jp/