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【北区】バラの名所「旧古河庭園」で大正の技に触れる

洋館と庭

北区西ヶ原という静かな住宅街のなかで、新緑の時期ひときわ賑わいを見せるのが、都立公園のひとつ「旧古河庭園」です。

武蔵野台地の傾斜を活かし、北側の丘の上には石造りの洋館があり、その前にはバラ園とツツジ園が。

洋風庭園から斜面を下っていくと、日本庭園が広がっています。

旧古河庭園古河家三代目当主となった古河虎之助の邸宅庭園として、現在の姿となりました。

洋館と庭洋館と洋風庭園は、鹿鳴館やニコライ堂などの設計なども手がけ、明治以降の日本建築界の礎を築いたといわれる英国人建築家、ジョサイア・コンドルによるものです。

一方、心字池を中心とする日本庭園は、京都の庭師「植治」こと、七代目「小川治兵衛」によって造られました。

大正初期の姿をそのままに残す「旧古河庭園」は、平成18年(2006)に国の名勝に指定されています。

洋館英国貴族の邸宅にならったという洋館は、天然スレート葺きの三角屋根が特徴的。新小松石がつかわれた外壁はシックな色合いで、古典様式の品格を感じさせます。

大正12年(1923)の関東大震災では、約2千人もの避難者が邸内に収容されたそうです。

バラ園旧古河庭園といえば、なんといってもバラ園が有名!

園内には約100種、200株もの色とりどりのバラが、甘い香りを放ち咲き誇ります。

この季節には「春のバラフェスティバル」が開催され、ライトアップや音楽会などのイベントも開かれます。

2019年の「春のバラフェスティバル」:5月1日(水・祝)〜6月2日(日)

左右対称洋館前にある石段の下のバラ園の生垣は、通路を挟んでほぼ左右対称の幾何学模様に整えられています。

植えられたたくさんのバラを見ながら歩いていると、ヨーロッパのお屋敷の庭に足を踏み入れたような気分ですね。

バラと洋館洋館をバックにしたバラの姿は、やはり一番絵になります!この辺りは人気の写真映えスポットでしょうか。

バラは名前を見ているだけでも楽しいもの。著名人の名前など、楽しいネーミングの花を見てみましょう。

マリア・カラス情熱的な色は伝説のオペラ歌手「マリア・カラス」

春芳淡い色とは裏腹に濃厚な香りの「春芳(しゅんぽう)」

ダイアナ妃英国風の洋館にお似合いなのは、ダイアナ妃のバラ「プリンセス・オブ・ウェールズ」

雅子皇后重なる花びらが優雅な、雅子皇后殿下のバラ「エグランタイン」

プリンセス美智子美智子上皇后陛下の「プリンセス・ミチコ」は、花びらがやさしい表情

朱王こちらの色鮮やかな、ボリュームのある花形はその名も「朱王」

バラは四季咲きの特徴をもつ「ラ・フランス」という品種を境に、それまでをオールドローズ、以降をモダンローズというそうで、このような四季咲きのバラが生まれたことにより、一年を通して花を楽しめるようになったのだそうです。

旧古河庭園のバラは、秋に大きな花が咲くように、夏に株を休ませているとのこと。春バラが楽しめるのは6月末までとなります。

係員の方から伺ったお話ですが、そんな予備知識をもって訪ねると、さらに楽しめるかもしれませんね。

日本庭園入口バラ園をぬけ坂道をくだっていくと、緑が深い日本庭園への道です。

入口付近は高木のシイや、モチノキ、ムクノキなどが生茂る植え込みで、周囲を渓谷がめぐっています。

心字池中心となる心字池のまわりには、大きな雪見灯籠や枯滝などが配され、異国情緒ただよう洋館やバラの園とは、まったく異なる趣です。

大滝園内一の急勾配を削った断崖から流れ落ちるのは大滝です。十数mの高さから滝つぼに落ちた井戸水は、心字池へとつながります。

崩石組ほかには枯山水の手法のひとつの「枯滝」や、崩れそうで崩れない京都の伝統的な石組みの工法「崩石積」など、小川治兵衛の技が随所に見られます。

枯滝近くの見晴台からは、素晴らしい景観が一望できるので、ぜひ上がってみてくださいね。

散歩道緑につつまれた散歩道では、とても清々しい気分です。

絢爛豪華に咲き誇るバラたちに興奮したあと、日本庭園の緑のなかで静寂に触れる。こんな楽しみかたができるのも、こちらの庭園ならではでしょう。

モミジの多い園内は、紅葉の季節もおすすめです。

大正時代から、この「旧古河庭園」に情熱を傾けた人々の思いを感じながら、ロマンチックなバラの園と、端整な日本庭園のコントラストをぜひ味わってみてください。